本日、5月7日。
藍瑠地方は終日快晴。
気温は22度止まりでも日差しがあり過ごしやすい1日でした。
6メートルを超えるような爆風が吹いていなければね。
5月に入りお世話シリーズのために連日頑張ってくれていた藍瑠さん。
お世話シリーズはひとまず終了。
今日は楽しく遊んでもらいます。
例年なら今時期はすでに川遊びに興じていますが、今年はステイホームということで家の前のスペースで遊ばせています。
ひっぱりっこやボール遊びがメインです。
遊びというのは実に奥が深いです。
犬との関わりの本質がぎゅっと詰まっているとも言えます。(犬は遊ぶことが大好きです)
例えば、投げたボールを犬に持ってきてもらいたい。
そう願って投げたボールを犬が持ってくるのは当たり前のことでしょうか?
転がった先のボールをガシガシかじったり、一人遊びを始めてしまったり、ボールを持ってどこかに行ってしまったりしたような経験をしたことはありませんか?
持って戻ってはくるけど届きそうで届かない2メートルくらいの距離をあけてボールを返してくれないというような経験をしたことはありませんか?
さらには、犬が言うことを聞かないのは頭が悪いからだとか思っていませんか?
立場を入れ替えてみてください。
あなたは馴染みのない言葉を話す外国人と一緒にいます。
外国人は何かを言いながら山なりにボールを遠くへ投げました。
投げられたボールはやがて地面に落ちてコロコロ転がり草むらに入ってしまいました。
外国人は自分に向けて何か言っているようですが何を言っているのかわかりません。
ボールを探せなのか、ボールを持ち帰れなのか、ボールを持ち帰って手渡せなのか、もしかすると危ないから近寄るななのかもしれません。
あなたはどうするのが正解だと思いますか?
無視する、見つけたボールを自分のものにする、見当違いの方向に投げるなんていうのも選択肢に上がるかもしれません。
犬は狩りをすることができる動物です。
獲物を探し→見つけて→忍び寄って→追いかけて→咥えて→仕留めて→食べる
こうした一連の行動を気質として備えています。(犬の摂食行動)
人にとっての「遊び」の多くは手や足、頭(思考)や体を使ってするものですが、犬にとっての「遊び」はその多くが口を使ってするものです。
つまり犬の遊びは、犬の摂食行動と深く結びついてしまうのです。
イヌは3万5千年ともいわれるヒトとの共生の中で、摂食行動の最後の「食べる」以外のいずれかの行動をヒトの生活様式に合わせて強化されるように交配して犬種を作り上げてきました。(選択育種)
例えば、ポインターは獲物の発見と場所の提示を得意とし、ボーダー・コリーは見て忍び寄って羊をまとめるのを得意とし、レトリバーは獲物を咥えて持ち帰ることを得意としているようにです。
投げられたボールは犬にとっては獲物です。
狩った獲物は自分のものです。
なぜ持ち帰らないといけないのでしょうか?
なぜ自分の獲物を渡さなければならないのでしょうか?
投げられたボールは犬の摂食行動に沿ったカタチで犬の狩猟欲求の多くを満たします。
そのため、ボール遊びを人の望むようなカタチににするのは大変です。
遊びとしては簡単なようでいて、なかなかレベルが高いのです。
漠然とボールを投げただけではうまくいかなくても仕方がないともいえます。(個体差あります)
とはいえ、うまくいかないことが度重なると、その都度うまくいかせることが難しくなっていくので厄介です。(消去・負の強化・部分強化消去効果・無関係性の学習などなど)
犬には人の発する言葉の意味はわかりません。
そのため、犬にしてほしい言葉と犬にとってほしい具体的な行動を結びつける が必要です。
人がしてほしいことを犬ができない場合、犬の理解力が足りないのではなく、犬に具体的な行動を取らせるための手続きが足りていない場合がほとんどです。
先日、藍瑠さんはお手ができないと書きました。
お手という言葉と差し出した手に前足をのせるという具体的な行動を結びつける手続きをとっていないからです。
ただし、身体的にトラブルを抱えている場合、具体的な手続きをとってものぞむ行動がとれない場合もあるので無理強いは禁物です。(できないには理由があります)