見極め日和

本日、7月13日の藍瑠地方はくもり時々雨。
最低気温20度、最高気温は24度。
湿度70%前後で昨日の真夏日から一転肌寒く感じられるような1日でした。

昨日は、パットケアと嫌な感情が結びついた古典的条件付けが成立してしまったため、万一の鋭敏化を避けるために、そうした条件下で足先に触ることに対しての脱感作と拮抗条件付けをしました。
今後しばらく続けていくことになりますが、今日は古典的条件付けの成立してしまった原因であるワックスに対しての拮抗条件付けをしました。
ケースを見せたりワックスのニオイをかがせたりすることで、尻尾を振したりヨダレを垂らしたりするまではいかなくとも、いぬらぼやケースに近づいてくるくらいのところまでは持っていけるようプログラミングしています。

基本的には、容器とニオイの両方に対して良い感情が結びつくようにトレーニングします。
といっても、トレーニングの入り口としては周りにトリーツをばらまくというシンプルな方法から始めています。(他にも複数同時並列的にトレーニングしています)

ただし、容器に対して警戒している様子がみられる場合は、犬の警戒心が出ない距離まで容器を離してから同様の手続きをします。
そして少しずつ距離を近づけて同じ手続きをくりかえします。
近づけた結果、警戒してしまった場合は、警戒しない距離まで戻してやり直します。
こうした手続きを脱感作といいます。
脱感作でできることは馴化、つまり馴れて気にしなくなるというところまでです。
それ以前から継続していたとしても、拮抗条件付けが拮抗条件付けとして機能するのは馴化が済んでからです。
トリーツをばらまけば、嫌いなものが好きになるわけではないので注意が必要です。

藍瑠さんは体重の乗ったダイナミックなオテをしてくれますw
実はここまでの間にちょっと困ったことがあって、キューとして左前肢は「パウ」(右前肢は「ポウ」)を使おうとしていたのですが、オスワリさせてから「パウ」というたびに立ち上がるので???となっていたところ、「パウ」のキューでおじぎをされて初めて判明。
おじぎのキューが「バウ」なので、どちらも母音は「アウ」。
ナルホドソウデスカw


半濁音と濁音の違いも犬にはわかりにくいようですね。
どちらもトレーニングをやり始めたばかりですし、弁別刺激としては不適当だったということでしょう。

もともと強い拒絶ではなかったこともあって、ここまでのトレーニングでほぼほぼ嫌な気持ちを出させずにパットケアができました。

こうしたトレーニングの結果、問題なくできるようになったからといって脱感作や拮抗条件付けをすぐにやめてしまうと、自発的回復によって嫌な感情が必ず復活するので、すぐにやめることは望ましくはありません。
しかも、嫌がる行動がまた出たからトレーニングを再開し、嫌がる行動が出なくなったからすぐやめて、みたび嫌がる行動が出たから…というのをくりかえしてしまうと、嫌なことから逃れられたことによって生じる負の強化が部分強化され、部分強化消去効果によって回を重ねるごとに嫌がる行動を消去することが難しくなってしまいます。
いぬらぼの場合は拮抗条件付けのレベルを徐々に下げつつの氾濫法などの手法をとってメンタルも鍛えていきますが、見極めが難しいので、状況に応じて定期的にトレーニングを継続するというのが問題を悪化させない無難な手段といえるでしょう。

一昨日の日付が変わる頃の雷雨に対する極度の恐怖心や今回のパットケアの突如の嫌がり方などは、去年までは気にならなかった現象です。
昨年までと今年の違いは何かといえば、瀬菜がいなくなったということに尽きるでしょう。
瀬菜はカミナリにしても地震にしても特に後半生は驚くほどなんの反応もみせませんでした。
いぬらぼがドキドキしてしまうような状態でも泰然と寝ていたりしますw
ボーダー・コリーにしてはかなり鈍感力の強い犬だったと思います。
藍瑠さんは、瀬菜がいるだけで安心していられたのでしょう。
よい母であり、よい姉でしたからね。