片付け日和

本日、6月24日の藍瑠地方はくもり。
最低気温22度、最高気温は26度。
湿度は朝方80%前後でムシムシ。
日中は湿度70%前後でそれなりに過ごしやすい1日でした。

朝方しっかりと丸まって寝ていた藍瑠さん。
湿度はあっても気温が低めなようです。
梅雨寒ですね。

新規におもちゃなどを片付けるためのトレーニングをしてみました。
藍瑠さんにとって片付けトレは初トレです。
いままでは動作が単発でシンプルでしたが、片付けは複数の動作を組み合わせる必要があります。
動画001:まずは、いつものように容器に対しての藍瑠さんの反応を確認します。

動画002:まずは容器に顔を近づけたり、容器に顔を入れたりするための動機付けをしていきます。
今回はトリーツを投げ入れれば良いので手誘導は使っていません。
この時点ではハンドシグナルによる指示を出しています

動画003:ハンドシグナルからキューへ移行段階です。
容器の中に深く頭を入れるように誘導しています。
少しずつですが深くなっていきます。
とはいえ、頭を容器に深く入れることが目的ではありません。
肝心なのは容器と頭の位置に対する意識付けです。

動画004:容器の中に入れるものにはボールを選びました。
藍瑠さんはボールをくわえたらいぬらぼのところに持ってくるということしかしたことがないので、はじめはそのような行動が出てしまいました。
そのことで気がそれてしまい容器の外に落としてしまいましたが、トリーツを投げ入れたことで意識が向き2回目は見事に容器の中に落としてくれました。

動画005:今回のやり方では、口からボールを離すという工程をとくに入れていません。
キューやハンドシグナルも出していません。
では、なぜ藍瑠さんはボールを容器の中に落とすのでしょうか?
それは「対立行動」によって、結果としてボールを口から出すように仕向けているためです。

動画006:何の行動が対立しているのかというと、ボールをくわえていることとトリーツを食べることです。
容器のエリア内(あるいは中)に頭を持っていけばご褒美がもらえます。
ボールをくわえていても、容器に対して頭が正しい位置にあれば、次に出てくるのはご褒美です。
くわえたまま食べることはできないので必然的にボールを離すわけです。(「学習の過程」を理解)

動画007:そのうち、ボールを容器に落とせばご褒美がもらえることがわかります。
藍瑠さんの理解の程度については、頭の位置が次第に高くなっていくことからもみてとれます。
とはいえ、頭の位置はできるだけ低いほうが失敗の可能性を低くできるので、頭の位置に対する意識づけは引き続きしていく必要がありそうです。

動画008:これでおもちゃを散らかしたとしても、いぬらぼが手を出さずとも藍瑠さんに片付けてもらえるというわけです。
もっとも、藍瑠さんはおもちゃを散らかすようなことはないですけどねw
※まだ完全に覚えているわけではないのが動画からもみてとれます。

今回のトレーニングは、これまでの単発行動のもトレーニングよりも時間がかかってます。
途中に休憩を入れつつ1セッション2分以下をベースに3分以下の2ステージ2回を含めて15セッションといったところでしょうか。

さて、藍瑠さんには「対立行動」を利用して片付けるという行動を教えましたが、すべての犬がこの方法で片付けることができるようになるわけではないでしょう。

藍瑠さんは、ディスクドッグということもありますが、フェッチ→ホールド→ドロップを理解しているため、容器に対しての頭の位置の意識付けだけで片付けることができました。

「片付ける」という行動は、人であれば、ものを拾って容器に入れるという一連のシーケンスとしてシンプルにとらえられても、犬には「片付ける」というような概念はないと考えられます。
そのため、一連のシーケンスを犬にもわかるような行動に分解してあげる必要がでてきます。

大きなコンテナとしては、
・ボールを床から拾い上げる(フェッチ)
・ボールをくわえたままでいる(ホールド)
・ボールをくわえたまま容器まで移動する
・ボールを容器の中にだす(ドロップ)
のような感じになるでしょうか。

藍瑠さんの場合、フェッチ→ホールド→ドロップを理解しているので、
ボールをくわえたまま容器まで移動する
ことができれば、片付けをするという目的が果たせます。

続いて、
ボールをくわえたまま容器まで移動する
からドロップまでの行間をもう少し小さなクリップに分解します。

肝心なのは、容器とボールをくわえている頭の位置関係です。
ここがフィックスしないと容器の中にボールを入れることができないからです。

そこで、
・容器まで移動する
・容器のエリア内に頭を持っていく
・容器の中に頭を入れる
と分けてみましたが、
・容器の中に頭を入れる
ことさえできれば上の2つは解決します。
ボールを口からだすのは「対立行動」の結果ですしね。

このようにスタートからゴールへではなく、まずはゴールを攻略するという手順を踏むことが犬のトレーニングでは少なくありません。(逆行連鎖)