フィジカルケア日和

本日、5月16日、藍瑠地方はなんだかんだで終日小雨模様。
午前中の20度が最高気温で夕方にかけて17度まで下がっていきました。
こんな日は思いきって何もしないのも一興です。

まったりモードの藍瑠さん。
看板犬として連日いろいろやらされているからか少々お疲れのご様子w

肌寒い小雨模様ですし、たまには何もしない日があっても良いでしょう。

こんな日はフィジカルケアをしていきます。

いぬらぼのフィジカルケアはいわゆるリラクゼーション系のマッサージとはちがいます。

何がちがうのかというと、ターゲットとなる組織とケアによって期待される効果がちがうのです。

これは、良し悪しやましてや優劣の話ではありません。
そもそものケアの目的がちがうというだけの話です。

いぬらぼのフィジカルケアは、アスリートドッグの世界で多大な実績をあげているボディカームいぬごやのいぬごや式のボディケアがベースになっています。
腱と筋膜のケアといって、一般的にはあまり聞きなれない部位を対象にしています。

外的要因にしても内的要因にしても、カラダに問題が生じるとカラダのジオメトリ変化がおこります。
ジオメトリの変化は、各関節を動かす筋肉のコンディションに変化があるためです。

肩がこる、腰が痛い、足を怪我して跛行するなどのわかりやすい例を出せば、それにともなってカラダの可動域が、何もないときと比べて制限があるということが想像してもらえるのではないかと思います。

関節の合わせ目にある軟骨組織に損傷がないことを前提にするならば、関節の可動域というのは、カラダの好不調に限らず一定のはずです。
つまり、カラダの可動域に変化を与えているのは関節を動かしている筋肉のコンディションと言えるでしょう。
関節を動かす筋肉は関節をまたいでおり、筋肉の両端は腱と呼ばれ、関節を構成しているそれぞれの骨に結合しています。
そして、筋肉のコンディションは腱をケアすることで変わります。
筋肉のコンディションが回復すれば、関節のアライメントが正されジオメトリも元に戻ります。
正しい動きは正しい筋肉のコンディションによってなされているということなのです。

体を構成する組織は膜に覆われています。
筋肉も筋膜に覆われています。
筋肉のコンディションは腱のケアで改善できますが、筋肉を覆っている筋膜のコンディションにトラブルがあればやはり筋肉のパフォーマンスを十全に引き出すことができません。

動物は、全身を構成する骨格を筋肉に覆われ、その筋肉は筋膜によって覆われています。
いわば筋膜という全身タイツに覆われているような状態といえるでしょう。
この全身タイツの厚みが均質でなかったら動きに偏りが出るだろうことは想像に難くありません。

そこで筋膜を厚くしているしわやよじれを伸ばしてあげる。
つまりは筋膜リリースによって筋肉のパフォーマンスを十全なものとするのです。

いぬらぼの解釈する腱と筋膜のケアとは、腱をケアすることで筋肉のコンディションを整えて関節の本来持っている可動域を取り戻し、筋膜をケアすることで筋肉が本来持っているパフォーマンスを引き出すものといえます。
そのため、アスリートドッグにとっては福音ともいえるようなケアですが、一般家庭犬であっても事情は同じです。
カラダの問題は必ず動きとなってあらわれます。
正しくない動きはカラダへの負担となります。
ケガの後などもそうですが、シニア犬のように時間経過によって積み重なった負担というのも犬の行動を制限することになります。
そうした負担を軽くできれば行動の制限もまた軽やかにできる可能性があります。(※獣医学的処置ではありません)
ケアの理屈としてはカラダを構成する構造に対しての働きかけと感じるかもしれませんが、藍瑠さんの様子をみてもらえればわかるように、リラクゼーション効果もまた十二分にあるのです。