本日、5月15日、藍瑠地方の最高気温が26度。
薄日がさす時間もありましたが雲の多い天気。
湿度は40%台で風は多少強目に吹くときもあったとはいえ過ごしやすい1日だったといえるでしょう。
我が麗しの藍瑠さん。
本日はフィジカルケアセラピストの視点で藍瑠さんをみてみることにしましょう。
実は、藍瑠さんは、フィジカル的にはそれなりの問題を抱えています。
問題といっても獣医学的な処置が必要ということではありません。
今回のテーマでのポイントは大きく分けると2つ。(ほんとはもっとある)
・アライメント(整列具合)
・古傷によるアライメントの変化(整列具合の変化)
なんのことやらさっぱりですよね。
藍瑠さんを真横から撮った画像です。
これの何が問題なのか???
おそらく大部分の方がそんな反応をすると思います。
いぬらぼのような、一部の特殊な視点で犬を見ている人達しか気にすることはないでしょう。(内容的には気にするようになってもらいたい)
養生テープでマーキングしてみましたw
X、↑、「、I、–といった記号のように見えますね。
前側のXが 、↑が 、–の先が 。
後側の「が 、Xが 、お尻の–は 、Iの先が 。
この配置が今の藍瑠さんの になります。
この位置関係によって、その犬がどのように体を動かすことになるのかがわかります。
この藍瑠さんのアライメントは、生まれもった先天的なものと、7年半という時間による後天的なものの複合的な要因によるものです。
この藍瑠さんのアライメントの状態を、アンギュレーションのバランスが良くないと表現します。
アンギュレーションで検索するとはスキー用語として出ますが、斜滑降のときの「くの字」の姿勢の、まさに「くの字」具合が犬の関節の をあらわすポイントになります。
マーキングの精度そのものが良くないので正しいとは言えないですが、前側の肩甲骨の頂点と肩関節、肘を結んだ「くの字」が105度くらい、後側の骨盤前部とお尻の坐骨と膝を結んだ「くの字」が87度くらいになります。
この状態には2つの問題があります。
一つは、前後脚で近似した歩幅にならないために地面に対してより高い効率で力を加えられれないこと。
もう一つは、「くの字」の角度が大きい前脚の筋肉量が理想的な角度で得られるはずの筋肉量と比べて少なくなるため、前脚が後脚の駆動力を受け止めきれない場合があることです。
藍瑠さんに限った話をすると、後脚の駆動力と前脚の筋肉量が釣り合っておらず、前脚にかかる強い負担から逃れるためにフルパワーで走ったり旋回したり止まったりするのを避けるようになってしまいました。
アスリートドッグとしては、かなりのウィークポイントといえるでしょう。
そこに気づかないでトレーニングし続ければ前脚への負担が溜まっていき、トレーニングすればするほどパフォーマンスが落ちることになります。
トレーニングメニューやプレースタイルは でしょう。
続いて、古傷によるアライメントの変化についてです。
藍瑠さんは、左後肢大腿部のいわゆるハムストリング(ももの後面)を構成する筋肉の一部にダメージを負ってしまっています。
日常的に大きな問題を引き起こすほどではないですが、藍瑠さんの を崩す原因になってしまっています。
この上下の2枚の画像を見ると、左後肢と右前肢がそれぞれ
それと比較して右後肢と右前肢は正面を向いています。
問題のあるのは左後肢大腿部のいわゆるハムストリングです。
その左後肢の負担が対角線の右前肢にかかってしまっているということなのです。
左後肢大腿部のハムストリングのダメージは手術のリスクを負ってどうこうするというほどのものではないのでこのままです。
右前肢への負担は に見えることがあります。
アンギュレーションの悪さもあって、リズムが変わるときなどにかばったような動きが見られます。
この負担に対するケアはとても重要です。
何もないことが一番ですが、アスリートドッグでなくても、日常のちょっとしたことでアライメントが崩れてしまうことはあります。
実際問題とすれば、何かがあったかどうかにかかわらず生涯にわたってのQOLを考えた場合、ケアの有無というのは差となって現れることでしょう。
たとえ何かがあったのだとしても、ケアは十分な効果を発揮します。
それは、藍瑠さんの現状が物語っています。