ハーディング日和

本日、5月9日、藍瑠地方は曇り。
気温21度で風も少し弱め。
ステイホームでも青空の方がやっぱりいい。

本日の藍瑠さん。
なにやら真剣な面持ちで外を見ています。

外からは定期的に地面を叩く小さな音と風切り音が響いてきます。

子供発見。

マスクの少年が縄跳びしてました。
左右に動きながらそれなりに長い間ガンバります。

藍瑠さんはというと、少年の動きを先回りするように忙しなく左右に動きます。

藍瑠さんのこの対象の動きに合わせて左右に回り込もうとする動きをハーディングといい、羊や牛などの家畜の群れを制御し移動させる牧羊犬(1G:ハーディング・グループ)らしい行動です。
とくに強烈な目ヂカラで持って対象を射抜く感じはいかにもボーダー・コリーです。

シープドッグもいずれやりたいと思っていますが、藍瑠さんは先頭切って羊に向かって行くようなタイプではないでしょう。
伏せつつつ遠巻きに羊の群れを見ている助手3号か4号あたりが関の山かもしれません。

どうやら駐車場の奥にも子供を発見したようです。
藍瑠さんの集中力が半端ないです。

ただし、この行動を放置しておくのは実のところあまり良いこととはいえません。

藍瑠さんの場合は、小さい頃から隣のマンションの住人やその1階の店舗の人たちに同じような形で遊んでもらっていたからとか諸々わかっているので良いのですが、ボーダー・コリーの問題行動でそれなりのウェイトを占めるのが「捕食性攻撃行動」だからです。

捕食性攻撃行動は摂食行動の一側面なので、命の危機から脱するためにおこなうようないわゆる「攻撃」ではないのですが、狩猟本能により、子供や自転車、バイクなどの素早く動くものに反応してしまうために問題となります。
特徴としては、まずは凝視し姿勢を低くするという前兆が見られます。
まさに今の藍瑠さんのような状況です。
そして摂食行動(狩り)の一側面なので基本威嚇が起こりません。

遊びシリーズでとりあげたように、犬の摂食行動は、
獲物を探し→見つけて→忍び寄って→追いかけて→咥えて→仕留めて→食べる
のように大別でき、イヌは「食べる」以外のどこかの動作が強化されるように選択育種されてきた動物です。
ボーダー・コリーなどは前半から中盤にかけてのまさに捕食性攻撃行動といわれてしまうな動作をひたすら強化されてきた犬種といえます。

藍瑠さんの行動は、地上3階分ほど場所に隔たりがあるので一人相撲でしかないですが、刺激されてしまった本能欲求を違う形で満たしてあげます。
藍瑠さんは、このような状況でもコールすればこたえます。
前回同様ロープ遊びで狩猟欲求を満たします。
欲求が満たされ疲れれば落ち着きます。

「疲れているワンコは良いワンコ」

22世紀に残したい名言100選に選ばれても良いほどの至言です。
犬の問題行動には様々な理由や症状がありますが、体を動かす面での欲求が満たされていないという状況が少なからず見受けられます。

犬はやはり犬。
人との共生において、人の社会で受け入れることのできる犬の欲求の満たし方を人が知り、犬の欲求を犬の求める方法で人が満たしてあげることが大切なのです。

なんでもダメと言っていませんか?
ダメの代わりにその行動の元になっている犬の欲求を満たし、そして褒めてあげましょう。
犬のココロを知る。
いぬらぼは、そのためのお手伝いをしていく所存です。